指名競争入札は何社を指名する? 自治体ごとの決め方3タイプと調べ方を紹介
指名競争入札では、1つの入札で何社くらいが指名されるのですか?
なにか決まりがあるのか、それとも自治体ごとに違うのでしょうか?
金額や業種によって異なるのであれば、そのあたりについても知りたいです。
指名競争入札では、1つの入札で何社くらいが指名されるのですか?
なにか決まりがあるのか、それとも自治体ごとに違うのでしょうか?
金額や業種によって異なるのであれば、そのあたりについても知りたいです。
指名競争入札の業者数、あなたのよく知る自治体ではどう決めていますか?
指名競争入札で何社が指名されるのか — 実は、全国共通の決まりはありません。
数を決めているのは、法律ではなく各自治体みずからのルールだからです。
そのルールは契約規則などと呼ばれる例規で定められていて、筆者が公開されているものを調べただけでも「3者以上」から「14者以上」までと幅がありました。
この記事では、法律には本当に書かれていないのか、各自治体がどう決めているのか、実際には何者を指名しているのか、そして気になる自治体での調べ方までをわかりやすく解説していきます。
なお実務では、法人だけでなく個人事業主の方もいらっしゃるので「◯者」と数えます(この記事では以下そう書きますね)。
それでは順に見ていきましょう。
自治体の入札ルールの大もとは、地方自治法と地方自治法施行令です。
ところが施行令は、指名競争入札について「資格を有する者のうちから…指名しなければならない」(167条の12)と定めるだけ。
何者を指名するかという具体的な数は、どこにも書かれていません。
実は、国の省庁の指名競争入札には業者数の決まりがあります。
国の会計ルール(予算決算及び会計令)に「競争に参加する者をなるべく十人以上指名しなければならない」という条文があるんです。
国にはあるのに、自治体にはない。
そこで各自治体は契約規則などの例規で、みずから業者数に関するルールを定めています。
「うちの自治体では3者以上になっている」と思い当たった職員や事業者の方もいるかもしれませんね。
その数字は、こうして自治体が独自に決めたものなんです。
各自治体がどう決めているのか、公開されている規則などを調べてみると、大きく3つのタイプに分かれます(いずれも執筆時点の公開資料に基づいています)。
設計金額だけでなく業種で数を分けている事例もあり、高千穂町では測量や設計などの委託は3人以上と、工事とは別の定めになっています。
なお「格付けごとに決める」タイプも、たどれば金額に行き着きます。
どの格付けの業者に発注するかは、原則として設計金額で決まるからです。
都道府県クラスになると、数はぐっと増えます。
群馬県は建設工事の標準を10〜14者以上とし、地域の事情で業者が集まりにくい場合だけ5〜12者以上まで緩めています。

読者の疑問: 5者なら5者で固定したほうが、分かりやすくない?
あえて固定しないのは、競争性を確保するためです。
毎回「5者ちょうど」だと、参加する顔ぶれが読みやすくなります。
顔ぶれが読めると、参加者どうしが事前に落札者や価格を申し合わせる談合につながりかねません。
数に幅を持たせてランダムにすることで、顔ぶれを読めなくする、という狙いがあるわけです。
この考え方をはっきり文書にしている自治体もあります。
都城市が要綱の逐条解説(条文ごとの解説)で、こう説明しています —
「選定業者の数を固定することは、談合し易い環境の構築につながる可能性もありますが、『○者以上』のランダムな数字を選定すれば、それを防止することになります。」
逐条解説は、こう続きます —
「また、『○者以上』として選定数を多くすることは、入札不調を減らすことにもつながります。」
入札の不調とは、落札者が決まらず入札が成立しないことです。
最低ラインを守りながら、案件に応じて多めに声をかけられる柔軟さもある、というわけですね。
「3者以上」という決まりなら、3者を指名しても10者を指名しても、規則のうえでは問題ないことになります。
では実際のところ、何者にしているのでしょうか。
ここは例規に書かれていないので、案件ごとに判断して決めているというのが実情です。
とはいえ、毎回ゼロから考えるのは大変ですよね。
それに似たような案件で数がバラバラだと「なぜあの入札は8者で、この入札は3者だったの?」と市民や監査に聞かれたとき、説明がしづらいという問題もあります。
そこで筆者は、業種や金額帯ごとに「◯〜◯者」という幅を内規で定めておき、その中で指名数を決める運用を経験してきました。
内規とは、例規で決まっていない部分について担当者や部署で扱いがバラつかないように、庁内でやり方をそろえておく事務マニュアルのようなものです。
内規ベースなので実際に調査することはできませんが、ここまでに書いた事情はどの自治体でも同じなので、似たような運用をしているところが多いのではないかと思います。
実際に何者にするかは、その業種の登録業者がどれくらいいるのか、案件の規模や地域の事情を見ながら総合的に判断します。
市内の登録業者が少ない場合には、対象地域を広げて数を確保することもあります。
もちろん担当者ひとりで決めるわけではありません。
最終的には指名審査会(指名委員会)などの合議の場での協議を経て、業者数も指名する業者も決まります。
メンバーは自治体によりますが、副市長や部長・課長といった庁内のえらい人たちが並ぶのが一般的です。
特定の個人ではなく、組織で決める仕組みです。
こうした審査会は、多くの自治体が契約規則などの例規で設置を定めていて、例規集で確認できます。
ここまでくると、知りたいのは「で、うちの自治体では実際どうなの?」ですよね。
職員の方と事業者の方、それぞれの調べ方を紹介します。
どこまで公開されているかは自治体ごとに差があり、最低ラインだけのところもあれば、業種や金額帯ごとの幅まで公開しているところもあります。
ただ「3者以上」や「◯〜◯者以上」というルールを見ても、実際のところ何者くらい指名されるのかまでは分かりませんよね。
そこで手がかりになるのが、過去の入札結果です。
過去の同じ案件や、業種・金額帯が近い案件を調べてみると、実際に何者指名されているのか、ある程度の傾向が見えてきます。
これだけでも、あるのとないのとでは差がついてくると思います。これから指名競争入札に力を入れたい事業者の方は、まず過去の案件をしっかり確認するのがおすすめです。
これは筆者の経験則ですが、入札に強い事業者さんほど、入札結果をよく見に来られていた印象があります。
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